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事務所だより2011年3月号

季節の画像いつも大変お世話になっております。

梅のつぼみがほころぶ季節となり、
春の訪れが待ち遠しく感じます。

それでは、今月の事務所だよりをお届けします。


=-=-=-=-= 目次 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
◆ 平成23年3月の税務
◆ 相続税パニックの足音
◆ 特別償却と税額控除いずれを選択すべきか?
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平成23年3月の税務

3月10日
 ●2月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付

3月15日
 ●所得税確定損失申告書の提出
 ●前々年分所得税の更正の請求
 ●個人の青色申告の承認申請
 ●前年分所得税の確定申告
 ●贈与税の申告
 ●前年分所得税の総収入金額報告書の提出
 ●確定申告税額の延納の届出書の提出
 ●個人の道府県民税・市町村民税・事業税及び事業所税の申告

3月31日
 ●1月決算法人の確定申告
   <法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
 ●個人事業者の前年分の消費税・地方消費税の確定申告
 ●1月、4月、7月、10月決算法人及び個人事業者(前年12月分)の3月ごとの期間短縮に係る確定申告
   <消費税・地方消費税>
 ●7月決算法人の中間申告
   <法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
 ●法人・個人事業者(前年12月分及び当年1月分)の1月ごとの期間短縮に係る確定申告
   <消費税・地方消費税>
 ●消費税の年税額が400万円超の4月、7月、10月決算法人の3月ごとの中間申告
   <消費税・地方消費税>
 ●消費税の年税額が4,800万円超の12月、1月決算法人を除く法人の1月ごとの中間申告
  (11月決算法人は2ヶ月分)    <消費税・地方消費税>

◆ 相続税パニックの足音

◆相続税課税割合の推移
 平成21年中に死亡した人は114万人、このうち相続税の課税対象となった人数は4万8千人、課税割合は4.06%でした。20年は4.2%で、平成13年に5%をきって以後引き続いて4%台の課税割合が続いており、いよいよ平成22年は3%台に突入か、という状況にあります。
 近年で、最も高い課税割合を記録したのは昭和62年の7.9%です。バブルの昂進期で、58年に5.3%だったのに、年々うなぎ上りに相続税の課税対象者が増えたわけです。
 これはマズイッとばかりに当局はそれまで長期に亘り<2000万円+400万円×相続人数>としていた相続税の基礎控除を昭和63年に一気に2倍にしました。
 その結果課税割合は4.6%に落ちたものの、すぐまたうなぎ上りに上昇し、平成3年に6.8%になったところで再度基礎控除を現在の金額まで上げました。
 その後は、その効果とともにバブルの崩壊もあって課税割合は減少の傾向をつづけてきました。

◆適正課税割合は5%?
 基礎控除の額を変更してきた過程をみると、7.9%はもちろん、6.8%も多すぎる割合と当局は判断していたことになります。
 今次の税制改正大綱では昨年の4.2%をみて、課税割合が少なすぎるとして基礎控除の減額を提案しています。
 6.8%と4.2%の真ん中は5.5%です。過去の推移をみて、4.5%〜5.5%あたりが適正割合なのかと、推測できそうです。

◆<3000万円+600万円×相続人数>の効果
 これは税制改正大綱で提案されている相続税の基礎控除です。相続人3人の場合、現行よりも3200万円低くなります。
 また、死亡保険金一人当たり500万円非課税枠が未成年者・障害者・生計同一者のみの適用と限定され、さらに、昨年改正の非同居実家相続での小規模宅地8割評価減不適用もあり、これで通常5000万円以上の影響があるので、首都圏では相続税の課税対象割合が一気に増えそうです。
 相続税の課税対象者のうち、相続財産2億円以下の層が7割を占めており、この層の下にその何倍かの相続課税対象の予備軍がいるわけですから、パニックになるかもしれません。不動産市場へも大きな影響を与えそうです。

◆ 特別償却と税額控除いずれを選択すべきか?

 中小企業には、事業の再生及び活性化を支援する目的で、中小企業投資促進税制と中小企業等基盤強化税制という2つの制度があります。
 この2つの制度では、一定要件を満たす設備投資を実施した場合、通常の減価償却と合わせて「30%の特別償却」又は納付すべき法人税額が減額される「7%の税額控除」の適用を受けることができます。事業者は、いずれか一方のみしか選択できません。選択は、事業者の自由です。
 それでは、この両者の適用内容及びその効果がどのように違うのか、また、選択する際の判断は何なのか等、その諸条件について検討してみます。

◆特別償却と税額控除
(1)特別償却
 特別償却は、設備の取得した年度に、取得価額の30%の償却を認めるというものです。普通償却であれ
 ば、取得した年度の償却は月割が原則ですが、この特別償却は、期末に取得しても30%の償却ができ
 ます。
 そのため、取得した事業年度の減価償却費は、通常の事業年度よりも多く計上(損金算入)でき、その期
 に納付すべき法人税額が少なくなります。

(2)税額控除
 税額控除は、原則、取得した事業年度に、設備の取得価額の7%をその事業年度の法人税額から控除
 することを認めるというものです。但し、控除額には限度があり、その期の法人税額の20%が限度です。

◆いずれを選択するかの判断は?
 特別償却といっても、設備の耐用年数を通じた全体の減価償却費の大きさには何ら変わりありません。従って、2年目以後の減価償却費を1年目に先取りしているだけなので、特別償却すると2年目以後の償却費は減ってしまいます。つまり、課税が繰り延べられているにすぎません。
 一方、税額控除は、算出税額から投資額の一定割合を控除するだけなので、減価償却費に影響はなく、純粋に減税効果が得られます。
 いずれを選択するかの判断ですが、安定的に黒字決算が継続できると予期されるのであれば税額控除が有利と考えます。
 しかし、当期に利益がでているが、来期以降の業績が見えない場合や赤字決算が予想されるような場合、利益があるうちに特別償却を選択し税額を減らす方が有利と考えます。