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事務所だより2009年9月号

季節の画像いつも大変お世話になっております。
日中の暑さはまだまだ衰えませんが、
朝夕はだいぶ涼しく、しのぎやすくなってまいりました。

それでは、今月の事務所だよりをお届けします。


=-=-=-=-= 目次 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
◆ 平成21年9月の税務
◆ 最低賃金改定 引上げは生活保護下回る12都道府県のみ
◆ 《コラム》通勤費の事業主負担
◆ キャッシュ・フロ−計算書について-その3-
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平成21年9月の税務

9月10日
 ●8月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付

9月30日
 ●7月決算法人の確定申告
   <法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
 ●1月、4月、7月、10月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告
   <消費税・地方消費税>
 ●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告
   <消費税・地方消費税>
 ●1月決算法人の中間申告
   <法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
 ●消費税の年税額が400万円超の1月、4月、10月決算法人の3月ごとの中間申告
   <消費税・地方消費税>
 ●消費税の年税額が4,800万円超の6月、7月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告
  (5月決算法人は2ヶ月分)    <消費税・地方消費税>

最低賃金改定 引上げは生活保護下回る12都道府県のみ

 7月28日に行われた 中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)の小委員会において、2009年度の最低賃金改定を原則「現行水準の維持」とする方針が決定されました。
ただし、現在の最低賃金が生活保護費を下回る都道府県については最低賃金引き上げの目安額が示されました。

 最低賃金制度とは、国が賃金の最低限度を定め、使用者はその最低賃金額以上の賃金を労働者に支払わなければならないとする制度です。
 平成20年7月に改正された最低賃金法では、同制度に違反した場合の罰則が重くなった(地域別最低賃金額を下回る賃金を支払った場合の罰金の上限額が2万円から50万円になった)ほか、最低賃金が時間額(時給)のみになるなどの見直しが行われました。

 最低賃金額の見直しは毎年行われ、通常、地域別最低賃金は毎年10月頃、産業別最低賃金は毎年10月から翌年2月の間に改定されています。

 今回、中央最低賃金審議会が示した方針は、10月改定予定の地域別最低賃金に対するものです。
35県については現行水準(平均703円)を維持することとし、最低賃金が時給に換算した生活保護費を下回る12都道府県については、引き上げ目安額(北海道10円、青森3円、宮城10円、秋田2円、埼玉12円、千葉3円、東京20円〜30円、神奈川22円、京都12円、大阪13円、兵庫8円、広島8円)が示されました。この結果、全国平均の最低賃金額は710〜712円となる見通しのようです。

 今後、今回示された引上げ目安額を参考に、地方最低賃金審議会(公益代表、労働者代表、使用者代表の各同数の委員で構成)の審議等の手続を経て、10月頃、地方最低賃金の改定額が都道府県労働局長により決定されることになります。

《コラム》通勤費の事業主負担

■居住、移転の基本的人権
 国民の憲法上の権利の一つとして居住地選択の自由があります。そして、自由に選んだ住居からの通勤費については、スジからいえば自己負担すべきものですが、通常は雇い主が全額負担しています。素直に考えると変なことです。
 別に、雇い主に通勤費負担の法的義務があるわけではありません。とはいえ、雇い主の通勤費負担は雇用に伴う単なる任意の給付というよりも、強制的社会慣行とでも言うべきものとなっています。

■雇用主はつらいよ
 だからでしょうか、従業員からは、負担してもらった通勤費について、当然のこととして何の感謝もされません。従業員自身が引っ越しをしたり、工場移転をしたり、ということで従業員が遠距離通勤者に変わってしまった場合に、解雇にもできないし、通勤費の増える分を負担しないということにもなかなかできません。雇い主にとっては辛いところです。

■通勤費の本来性格
 労務の提供をするために事業場に赴くことが通勤であり、通勤そのものは労務の提供ではありません。労務の提供をできるようにするための条件整備行為に過ぎないからです。
 その通勤に費用がかかる場合において、その費用を雇い主から補填されているのですから、雇い主の通勤費負担分の性格は、給与所得の必要経費を補填するもの、すなわち給与所得計算上の労務の対価としての収入ではなく、給与所得計算上の必要経費のマイナス項目とするべきものです。

■非課税という奨励規定
 実際日本では給与を得るのに従業員が何か仕事に不可欠な物・道具・その他の代金を負担するということはあまりありません。
 所得税法では通勤手当や仕事における無償貸与物の給付を非課税としています。
非課税としているのは、雇い主の従業員通勤費等の負担によって、労務の対価以上に従業員の手元残る金銭が増えることはないからでしょうが、さらに、非課税とすることにより、働くための条件整備費用は、従業員自身ではなく雇用主負担とすることがよい、との考えを奨励しているともいえます。

キャッシュ・フロ−計算書について-その3-

 今回は、キャッシュ・フロ−計算書に基づく分析方法について簡単に説明します。
しかし、その分析手法はまだ十分に確立されているとは言えませんので、実務的に利用されているいくつかの指標について説明したいと思います。

[1]フリ−・キャッシュ・フロ−(FCF)
 キャッシュ・フロ−計算書の有用な分析方法にフリ−・キャッシュ・フロ−(FCF)の使用があります。これは現在の水準で生産能力を維持するための資本支出をまかなった後の、事業活動に利用可能な金額で、経営者にとって自由のきく資金の事です。
 企業の成長や財務健全性は適切なFCFに依存すると言われています。このため将来のFCFの割引現在価値は企業価値を表わすものとして重視されています。 FCFの明確な定義はなく、いくつかの算式が提示されています。
 @FCF=営業CF−資本支出
 AFCF=営業CF−生産能力維持のために要する純資本支出
 BFCF=営業CF−投資CF
 上記のうち、理論的には、A式で求めたFCFが最も正しいと思われますが、実務上は便宜的にB式で
求めたFCFを分析対象としていることが多いようです。
 次に、このFCFがプラスであれば、将来の為の投資(新規設備の購入等)、財務内容の改善(借入金の
返済等)、自己株式の購入などに活用する事が出来ます。
 しかし、このFCFがマイナスであれば、資金調達(借入、増資)が必要となり、FCFのマイナスの継続は財務体質悪化を招くので好ましくありません。  ただし、事業拡張等により将来の展望が期待出来る場合には、一時的なFCFのマイナスも当然あり得ます。

[2]流動性比率
 営業キャッシュ・フロ−を支払財源と考え、短期債務や配当金の支払能力を測定します。
 @営業CF対流動負債比率
  営業CF÷平均流動負債(%)・・・短期債務の支払能力を測定します。
  米国では40%以上が健全とされます。
 A現金配当金カバレッジ
  営業CF÷配当金支払額(倍)・・・配当金の支払能力を測定します。

[3]長期支払能力比率
 営業CFによる長期債務の支払能力を測定します。
 @営業CF対総負債比率
  営業CF÷平均総負債(%)・・・・営業CFによる負債の支払能力を測定します。
  米国では20%以上が望ましいとされています。
 A営業CF対固定負債比率
  営業CF÷平均固定負債(%)・・・営業CFによる長期債務支払能力を測定します。
  逆数は返済年数を表わします。
 B現金・利息カバレッジ比率
  (営業CF+利息支払額+法人税支払額)÷利息支払額(%)・・・営業CF対利息比率ともいい、
  利払能力を測定します。
  利息支払額を財務活動CF区分に含めている場合には、営業CF+法人税支払額)÷利息支払額(%)と
  なります。

[4]資本支出・投資比率
 営業CFによる固定資産投資を維持する能力を測定します。
 @資本取得比率
  営業CF÷資本支出(%)・・・現金発生能力と設備支出の関係を示します。
  100%を上回るほど負債や配当の支払能力は高いといえます。
 A営業対投資比率
  営業CF÷投資CF(%)・・・「営業CF−投資CF」すなわちFCFを比率で表したものであり、内部発生
  現金による投資資金の充足度を測定する比率です。

[5]キャッシュ・フロ−・リタ−ン比率
 キャッシュ・フロ−の獲得能力を測定します。
 @キャッシュ・フロ−・マ−ジン
  営業CF÷売上高(%)・・・売上高を現金に換える能力を示します。
  この比率は業種によって大きく異なります。
 A総資産キャッシュ・リタ−ン比率
  利払前・税引前営業CF÷平均総資産(%)・・・総資産がどれだけのキャッシュ・フロ-を生み出したかを
  表しています。
 B自己資本キャッシュ・リタ−ン比率
  営業CF÷平均自己資本(%)・・・株主のために十分なキャッシュを生んでいるかどうかを示します。
 C売上高の質
  (売上高+期首売上債権−期末売上債権)÷売上高(%)・・・売上高からのキャッシュ回収率を表してい
  ます。この比率は100%を下回るほど質が悪いといえます。
 D利益の質
  営業CF÷営業利益(%)・・・営業利益の現金への変換比率を表わし、この比率が高いほど利益の質は
  高いといえます。
 E1株当たり営業CF
  営業CF÷発行済み普通株式数(円/株)・・・1株の現金発生能力を表します。
  短期的には資本支出の決定や配当金支払能力の測定にとっても、1株当たり利益よりは良い尺度と
  されています。