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事務所だより2009年5月号

季節の画像いつもお世話になっております。
新緑の色増す季節となってまいりました。
いかがお過ごしでしょうか。

それでは、今月の事務所便りをお届けします。


=-=-=-=-= 目次 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
◆ 平成21年5月の税務
◆ 一世帯あたりの年間消費税額は平均17万5千円
◆ 《コラム》政治団体と税
◆ 貸倒損失と貸倒引当金(個別貸倒引当金繰入)について-その2-
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平成21年5月の税務

5月11日
 ●4月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付

5月15日
 ●特別農業所得者の承認申請

6月1日
 ●3月決算法人の確定申告
   <法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
 ●個人の道府県民税及び市町村民税の特別徴収税額の通知
 ●3月、6月、9月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの期間短縮に係る確定申告
   <消費税・地方消費税>
 ●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告
   <消費税・地方消費税>
 ●9月決算法人の中間申告
   <法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
 ●消費税の年税額が400万円超の6月、9月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの中間申告
   <消費税・地方消費税>
 ●消費税の年税額が4,800万円超の2月、3月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告
  (1月決算法人は2ヶ月分、個人事業者は3ヶ月分)    <消費税・地方消費税>
 ●確定申告税額の延納届出による延納税額の納付

 ○自動車税の納付
 ○鉱区税の納付

◆ 一世帯あたりの年間消費税額は平均17万5千円

 日本生活協同組合連合会(日本生協連)が2008年の「消費税しらべ」速報を公開しています。この調査は47生協785世帯の協力を得て、1年間の消費税の負担実績を集計したものです。

 同速報によると、一世帯あたりの年間消費税額は平均17万5千円。
2006年が同17万4千円、2004年が同17万7千円でしたから、ここ数年の大きな変動は無いことになります。また、消費支出に占める消費税の割合は3.64%ですが、これも例年並みということです。つまり、同調査においては、ここ数年で家計消費に大きな変化は生じていないという結果になっています。

 所得階層別に見ると、年収1000万円以上の世帯の消費税負担額は28万3千円で、これは年収400万円未満世帯の10万3千円に比べて2.75倍の負担額です。ただし、年収に占める消費税の負担割合では、年収1000万円以上世帯の2.21%だったのに対し、年収400万円未満世帯では3.39%と1.5倍の負担率になるなど、低所得世帯ほど消費税の負担割合が高くなっている実態が明らかになっています。

◆《コラム》政治団体と税

 このところ、新聞を賑わせている政治献金。何がダメで何が良いのか、お金をもらうのに、何も課税されないのか? など疑問が湧いてきます。

■政治団体って何?
 政治団体には、(1)政党 (2)政治資金団体 (3)資金管理団体 (4)後援会 などのその他政治団体、があります。このうち、政治資金団体は、政党のために資金上の援助をする団体で政党が指定し届け出たものをいい、資金管理団体は、政治家個人のために政治資金の拠出を受け、あるいは、政党から受けた政治活動に関する寄附の経理を行うことができる団体で、政治家1人につき1団体とされています。

 政治資金規正法では、企業から個人・資金管理団体への献金は一切禁止されています。一方で、政治団体間の献金は一定限度内でできます。そのため、報道されているような抜け道が合法的に行われることになります。なお、企業から政党・政治資金団体への献金は、資本金に応じて定められた限度内で行うことができます。また、赤字企業には制限が設けられています。

■政治団体は税金払うの?
 法人税法上、政党は公益法人、政党以外の政治団体は人格のない社団等として扱われます。したがって、寄附収受は収益事業ではないので、原則として法人税が課税されることはありません。
 また、相続税、贈与税に関しても、政治団体は公益を目的とする事業を行う者とされていますので、政治献金のような寄附金に相続税・贈与税が課税されることは原則としてありえません。

■パーティー券は?
 パーティーは、対価を徴収して行われる催物ですので、そのチケット販売は法人税が課税されるのではないかと考えられますが、収益事業として政令に列挙されている事業に該当しないとされており、法人税は課税されていません。
 ただし、消費税については課税されるのではないかという疑問もありますが、実態は寄附金であるため、不課税扱いにするのが一般的です。ただし、購入者側は、目的によっては交際費として処理する余地があります。

◆ 貸倒損失と貸倒引当金(個別貸倒引当金繰入)について-その2-

 前回は貸倒れと認定される場合及び貸倒れとして損金経理できる場合について税務上の取扱いを説明しましたが、今回は、貸倒れ処理(債権の消滅)できないケ−スで同様の効果が得られる個別貸倒引当金繰入が税務上認められる場合について説明します。

[1] 個別評価金銭債権に係る債務者について生じた次に掲げる事由に基づいてその弁済を猶予され、
 又は賦払により弁済される場合には、その個別評価金銭債権の額のうちその事由が生じた日の属する
 事業年度終了の日の翌日から5年を経過する日までに弁済されることとなっている金額以外の金額
 (担保権の実行その他によりその取立て又は弁済の見込みがあると認められる部分の金額を除く。)を
 限度として損金経理により貸倒引当金勘定に繰入れることが出来ます。

  (1)会社更生法の規定による更生計画認可の決定。
  (2)民事再生法の規定による再生計画認可の決定。
  (3)会社法の規定による特別清算に係る協定の認可の決定。
  (4)法令の規定による整理手続によらない関係者の協議決定。(任意整理)

 (注1)上記の決定で切り捨てられる事となった金額は貸倒損失として処理し、猶予又は賦払となった
     場合は長期棚上債権(期末から5年超)について貸倒引当金に繰入れることにより損金処理す
     る事になります。

[2] 個別評価金銭債権に係る債務者につき、債務超過の状態が相当期間継続し、かつ、その営む事業に
 好転の見通しがないこと、災害、経済事情の急変等により多大な損害が生じたことその他の事由が生じ
 ていることにより、その個別評価金銭債権の一部の金額につきその取立て等の見込みがないと認められ
 る場合には、その一部の金額を限度として損金経理により貸倒引当金勘定に繰入れることが出来ます。

 (注1)資産状況、支払能力等からみて、全額が回収出来ないと判断される場合にはその全額について
     貸倒損失として損金処理する事になります。一部が回収できないと判断される場合は、債権放棄を
     しない限り貸倒引当金勘定への繰入という方法を通じて損金処理する事になります。

[3] 個別評価金銭債権に係る債務者について次に掲げる事由が生じている場合には、その個別評価金銭
 債権の額(実質的に債権とみられない部分の金額及び担保権の実行その他によりその取立て又は弁済
 の見込みがあると認められる部分の金額を除く。)の50%を限度として損金経理により貸倒引当金勘定
 に繰入れることが出来ます。

  (1)会社更生法の規定による更生手続開始の申立て。
  (2)民事再生法の規定による再生手続開始の申立て。
  (3)破産法の規定による破産手続開始の申立て。
  (4)会社法の規定による特別清算開始の申立て。
  (5)手形交換所による取引停止処分。

[4] 事業年度終了の時において有する外国の政府、中央銀行又は地方公共団体に対する個別評価金銭
 債権につき、これらの者の長期にわたる債務の履行遅滞によりその経済的な価値が著しく減少し、かつ、
 その弁済を受けることが著しく困難であると認められる事由が生じている場合には、その個別評価金銭
 債権の額(実質的に債権とみられない部分の金額及び担保権の実行その他によりその取立て又は弁済
 の見込みがあると認められる部分の金額を除く。)の50%を限度として損金経理により貸倒引当金勘定
 に繰入れることが出来ます。

[5] 個別評価金銭債権につき貸倒引当金勘定への繰入をする場合の留意点

  (1)[1]〜[4]の貸倒引当金繰入事由が生じていることを証する書類を会社に保存しておく必要が
    あります。
  (2)個別評価金銭債権に係る貸倒引当金の設定対象となる金銭債権には、売掛金や貸付金のほか
    例えば、保証金や前渡金等について返還請求を行った場合におけるその返還請求債権も含まれ
    ます。
  (3)手形交換所による取引停止処分のあった日の属する事業年度において貸倒引当金勘定に繰入
    れるのが原則ですが、その事業年度終了の日までに債務者の振り出した手形が不渡りとなり
    (1回目の不渡り)、その事業年度分に係る確定申告書の提出期限までに2回目の不渡りを出し、
    手形交換所による取引停止処分が生じた場合には、その事業年度において50%を限度として
    損金経理により貸倒引当金勘定に繰入れることが出来ます。