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事務所だより2009年12月号

季節の画像いつも大変お世話になっております。
日増しに寒さがつのってきますが、 お元気でお過ごしでしょうか。

それでは、今月の事務所便りをお届けします。


=-=-=-=-= 目次 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
◆ 平成21年12月の税務
◆ 非常勤役員の報酬はいくらまで認められるか
◆ 妻の年金加入記録漏れ問題
◆ 民主党マニフェストに基づく税制改正案について
◆ 年末調整お役立ち記事をアップロードしました
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◆ 平成21年12月の税務

12月10日
 ●11月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額、納期の特例を受けている者の住民税の特別徴収額
 (6月〜11月分)の納付

12月21日
 ●7月〜12月分源泉所得税の納期限の特例届出書の提出

1月4日
 ●10月決算法人の確定申告
   <法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
 ●1月、4月、7月、10月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告
   <消費税・地方消費税>
 ●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告
   <消費税・地方消費税>
 ●4月決算法人の中間申告
   <法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
 ●消費税の年税額が400万円超の1月、4月、7月決算法人の3月ごとの中間申告
   <消費税・地方消費税>
 ●消費税の年税額が4,800万円超の9月、10月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告
  (8月決算法人は2ヶ月分)    <消費税・地方消費税>

 ○給与所得の年末調整
 ○給与所得者の保険料控除申告書、住宅取得控除申告書の提出
 ○固定資産税(都市計画税)の第3期分の納付

◆ 非常勤役員の報酬はいくらまで認められるか

 非常勤の親族役員への報酬は幾らぐらいが妥当なのかと言う質問に明確な回答はありませんが、平成17年にこの金額につき国税不服審判所の裁決が出ています。

■事案の概要
 代表取締役であるAさんは、設立以来母親を非常勤取締役としており、月額300万円(年収3,600万円)の報酬を計上し、損金の額に算入していたところ、税務署は、取締役としての職務は特に定まっていないことを理由として、月額約15万円のみを損金に算入すべきという処分を下しました。この月額約15万円というのは同種の企業の非常勤役員報酬の平均値です。
 これに対しAさんは、母親は事業の上でも自分の良き相談役であるので少なくとも他の従業員とおなじ月額50万円が相当だとして国税不服審判所に処分の取り消しを訴えました。

■国税不服審判所の判断
 この訴えに対し国税不服審判所は税務署を支持し、月額約15万円のみを損金の額に算入するのが妥当であるとする判断を下しています。「良き相談役」というのはあくまで主観で客観性・具体性に欠けるものであり、何らの証拠書類もないことなどがその理由です。

■名目役員と租税回避
 推測ですがこの場合、実態は名目役員であったと思われます。また月額300万円の報酬は社会通念上も逸脱した金額であり、社長の所得を母親へ分散し、所得税の軽減を意図した行為であったのだと思われます。

■月額15万円を多いと見るか、少ないと見るかは考えようです。
 この裁決を「名義だけの親族役員にも、月額15万円は認めても良い」と解釈すると、親族役員の場合、儲かっていないときは只で仕事をし、仕事が順調になったので従業員をやとって今は特に仕事をしていない場合や、仕事はしていないが、借入れの担保としての土地を提供している場合や、きちんと役員会には出席し、会社の意思決定には参加している場合などがあります。様々なケースが想定されますから、月額15万円以上の報酬の支払いも充分可能です。

◆ 妻の年金加入記録漏れ問題

■平成8年12月以前に旧姓で年金加入の方
 消えた年金記録、いわゆる持ち主不明であった「5,000万件」のうち、「500万件」を超える件数が婚姻等により、氏名を変更した方々の記録であるといわれています。
 女性の場合、多くは婚姻時に姓を変えており、婚姻前に旧姓で勤務していた期間が年金記録から抜けている場合があるようです。年金特別便や定期便等が自宅に送られてきた際には、その期間に漏れがないか確認をして見ましょう。昔加入していた期間1年分が見つかれば、年2万円余りが増額されます。
 以前は厚生年金番号と国民年金の被保険者番号が異なっていたので、結婚をして厚生年金から国民年金に加入した場合、年金番号が変わったのでこのような問題も起きたのです。平成9年1月以降に初めて年金加入された方は、基礎年金番号の導入により年金記録は一元化されたので、このような事態は減ってきています。

■記録漏れ訂正で年金返納はせず
 サラリーマンの妻の年金記録訂正によるもうひとつの問題点として、厚生年金の加入記録漏れを訂正した際に既に受け取った年金の返納を求められるケースがありました。妻が専業主婦から一時的に会社勤めをし、退職して再び専業主婦となった時には「第3号被保険者」の届出が必要でした。しかし、届出漏れをしていた場合「第3号被保険者」期間は未加入扱いとなります。事後に届出も認められていますが、年金受給額に反映されるのは届出後であるため3号の届出漏れをしていた場合、受給資格にも年金額にも反映されないので、受け取った年金は払いすぎていたとして返還を求められるケースもありました。
 しかし、厚労省は最近になってこのようなケースは返還を求めないし、既に返還した方には払い戻す事を発表しました。対象となった方は、払戻しの申請をしておきましょう。
 妻の3号被保険者の届出は手続き漏れが多いため、平成14年4月から夫の健康保険の被扶養者となる手続きの際、同時に届出る事となっていますので、現在は届出漏れは少なくなっている事でしょう。

◆ 民主党マニフェストに基づく税制改正案について

 自民党から民主党に政権が移ったことにより、税制面においてもその基本姿勢の相違により大きな変革が予想されます。そこで、前回に引き続き、今一度、民主党マニフェストに基づいた税制改正案について整理しておくことも有益であると思われます。但し、現段階では民主党マニフェスト案であって、具体的に法律化されたものではなく、あくまで参考程度に留めておいて下さい。

[1]法人税関連
 (1)租税特別措置の適用状況について評価・検討を行い、必要性の高いものについては恒久化、必要性
   の低いものについては廃止する方針で「租税特別措置透明化法」を制定するとしてます。
 (2)欠損金の繰戻還付制度の凍結を解除することとしています。(既に、資本金1億円以下の中小企業者
   等に対しては、平成21年2月1日以後終了事業年度に生じた欠損金額については繰戻還付制度が適
   用されています。)
 (3)中小企業に係る法人税の軽減税率を当分の間11%(現行は18%)とするとなっています。
 (4)「特殊支配同族会社」の役員給与に対する損金不算入制度を廃止するとしています。
 (5)「移転価格税制」に関しては、企業活動の円滑化を図るため、速やかに関係各国と調整を行える体制
   を整えるとともに租税条約の乱用事案の摘発を強化するとしています。

[2]所得税関連
 (1)「配偶者控除」及び「扶養控除」を廃止し、「子ども手当」を新たに設けることとしています。
   (特定扶養控除及び老人扶養控除についてはそのまま残すこととなります。)
 (2)現行廃止されている「老年者控除」の50万円を復活させるとしています。
 (3)給与所得控除について、特定支出控除を使いやすい形にして、適用所得の上限を設ける等の見直し
   を行うとしています。
 (4)公的年金控除の最低補償額を140万円に戻すとしています。
   (現行では、満65歳以上の場合120万円、満65歳未満の場合70万円となっています。)

[3]その他
 (1)自動車関連諸税及び環境に関連する税については、自動車取得税を廃止し、自動車重量税及び
   自動車税を地方税に一本化するとしています。又、ガソリン等の燃料課税については、環境問題と
   して、地球温暖化対策の一環として位置づけた上で、新たに環境関連税制を設ける必要があるとし
   ています。
 (2)「富の一部を社会に還元する」との考え方から、課税ベ−ス、税率の見直しを検討すると共に、現役
   世代への生前贈与による財産の有効活用などの視点を含めて、贈与税のあり方も見直すとしてい
   ます。
 (3)社会保険庁は国税庁と統合して「歳入庁」とし、税と保険料を一体的に徴収し、又、所得の把握を
   確実に行うために、税と社会保障制度共通の番号制度を導入するとしている。

◆ 年末調整お役立ち記事をアップロードしました

 今年の年末調整改正点や扶養控除(異動)申告書・保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書の記載方法の解説記事をホームページに載せております。
お困りの際はご参考にどうぞ。