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事務所だより2009年1月号

季節の画像明けましておめでとう御座います。

昨年はリーマンの破綻が引き金となり経済界に激震が走りました。
今年は更に厳しい年となりそうですが、浮足立たずどっしりと足を地に着けて頑張って下さい。

それでは、今月の事務所便りをお届けします。


=-=-=-=-= 目次 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
◆ 平成21年1月の税務
◆ 消費税に通勤費の上限はない
◆ 200年住宅法案が可決成立
◆ 損益分岐分析-その1-
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平成21年1月の税務

1月13日
 ●前年12月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付

2月2日
 ●前年11月決算法人の確定申告
   <法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
 ●源泉徴収票の交付
 ●支払調書の提出
 ●固定資産税の償却資産に関する申告
 ●2月、5月、8月、11月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告
   <消費税・地方消費税>
 ●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告
   <消費税・地方消費税>
 ●5月決算法人の中間申告
   <法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
 ●消費税の年税額が400万円超の2月、5月、8月決算法人の3月ごとの中間申告
   <消費税・地方消費税>
 ●消費税の年税額が4,800万円超の10月、11月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの
  中間申告(9月決算法人は2ヶ月分)    <消費税・地方消費税>
 ●給与支払報告書の提出

 ○個人の道府県民税及び市町村民税の納付(第4期分)
 ○給与所得者の扶養控除等申告書の提出

◆ 消費税に通勤日の上限はない

 所得税法では、社員や役員が通勤のために要する費用を会社が支払った場合、1ヶ月あたり10万円が非課税の上限とされています(所令20の2)。
 したがって、10万円を超えて通勤費を支給した場合、その超えた分は支給した社員、または役員の給与として所得税が課税されることになります。
しかし、消費税法には通勤費用について、このような上限規定がありません。

 消費税法基本通達(消基通11-2-2)によると、「当該通勤者がその通勤に必要な交通機関の利用又は交通用具の使用のために支出する費用に充てるものとした場合に、その通勤に通常必要であると認められる部分の金額は、課税仕入れに係る支払対価に該当するもの」とされています。
つまり、通常必要と認められる通勤費用であれば、消費税の課税仕入れにできるということです。

 しかも、所得税のように「最も経済的かつ合理的と認められる通常の通勤運賃等の額(所令20の2)」という縛りもありませんので、所得税法では認められないグリーン料金でも消費税の課税仕入れと認められています。

 したがって、月10万円を超える通勤費を会社が支給している場合、月10万円分までの交通費と月10万円を超えた分の交通費を別に管理し、月10万円を超えた分については消費税課税取引の給与として処理する必要があります。

◆ 200年住宅法案が可決成立

 今国会で「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」が可決成立し、12月5日に公布されました。法律の施行は公布の日から6ヵ月以内の政令で定める日とされています。
 この法律は、「長期にわたり良好な状態で使用するための措置がその構造及び設備について講じられた優良な住宅(長期優良住宅)の普及促進」を目的とするもので、登録免許税などの税制優遇措置も含まれています。

 長期優良住宅(200年住宅)とは、以下のような対策(具体的な基準については今後の法令で定められる)がとられた住宅で、所管行政庁(市町村長または都道府県知事)の認定を受けたものをいいます。
  1.腐食の防止、地震に対する安全性の確保
  2.住宅の利用の状況の変化に対応した構造・設備の変更が容易であること
  3.維持保全を容易にするための措置
  4.高齢者の利用上の安全性、省エネルギー性などについての措置が、国交省令で定めるもの、
    誘導基準に適合するもの

 税制優遇措置については、保存登記、移転登記ともに登録免許税が1000分の1に減免されます(租税特別措置法73条の2)。さらに、新築から5年度分(中高層耐火建築物は7年度分)に限り、その住宅に係る固定資産税の税額(1戸当たり120u相当分が限度)の2分の1が軽減され、不動産取得税についても課税標準より1300万円の控除(一般住宅は1200万円)が受けられるようです。
 また、与党の平成21年度税制改正大綱においても、住宅ローン減税におけるさらなる優遇措置、性能強化費用相当額の所得税額の特別控除などが計画されています。

◆ 損益分岐分析-その1-

 会社(個人事業を含む)の収益性分析の一つに損益分岐分析があります。
よく、「中小・零細企業にとっては経営分析などは関係ない。ただ売上高を増やせばそれで良い。経営分析は上場会社のような大企業が行うものだ。」という言葉を耳にします。これはこれで的を突いています。
 ただし、売上高を増やせば利益がついて来るのです。それではなぜ売上高を増やせば利益がついて来るのか? 一体売上高をいくら増やせばどれだけの利益が増えるのか? 経営者の方々は感覚的、習慣的にこれ等の事を把握していると思います。

 しかし、売上高を意のままに増やすことが出来れば問題はないのですが、なかなか思うようには売上高が伸びないのではないでしょうか。そこで、現実性のある目標売上高を把握することが必要となってきます。
 損益分岐分析は、どれだけの売上高があれば赤字にはならないのか? 目標利益を達成するためには売上高はいくら必要か? 等々の身近な質問に答える為には、有効でかつ容易な分析手法です。
 この分析は他社との比較をするものではなく自社完結型の分析手法なので、一度試されては如何ですか? 以下簡潔に説明します。(便宜的に商品の卸売業で説明します。又、営業外損益及び特別損益は無視して、利益=営業利益として以下説明します。)

[1]損益分岐分析の意義
 損益分岐点(売上高と費用とが等しい点、すなわち利益ゼロの点)を利用して企業の損益構造について
 分析することを損益分岐分析といいます。

[2]損益分岐点の計算方法
 (1)用語の意義
   @変動費・・・売上高に比例的に増減する費用。例えば、売上原価や販売手数料、運賃等。
   A固定費・・・売上高の増減にかかわりなく不変なもしくは本質的に不変な費用。
           例えば、保険料や、減価償却費、固定資産税等。
   B準変動費・・売上高がゼロの場合にも一定額が発生し、同時に売上高に比例的に増減する費用。
            例えば、水道光熱費のような公共料金等。
   C準固定費・・一定の規模の売上高までは固定的であるが、それを超えれば飛躍的に増加し、
            次の一定の規模の売上高まではその水準で固定化する費用。
            例えば、販売員の人件費や、倉庫としての家賃・地代等。

(2)変動費と固定費の分類
   @勘定科目による分類・・・勘定科目ごとに変動費と固定費に分類する。
   A準変動費と準固定費の分類・・・高低点法やスキャッタ−・グラフ法で変動費と固定費に分解する。

    (注1)高低点法・・・過去のデ−タから高水準の売上高の時の費用額と低水準の売上高の時の
                費用額とを比較して変動費と固定費に分解する方法。
    (注2)スキャッタ−・グラフ法・・・売上高を横軸に費用額を縦軸にとったグラフ上に過去の
                実績デ−タを記入し、これらの諸点の中央を通る直線を目分量で引き、
                これが縦軸と交わる点を固定費とし、また直線の傾きを変動費率とする方法。

(3)損益分岐点の売上高
   総費用を変動費と固定費に分解できたら次の算式が成立します。
      利益=売上高−変動費−固定費 ・・・・・@
   損益分岐点の売上高とは利益がゼロの場合の売上高ですので、上記の算式の利益をゼロと置き換え
   れば損益分岐点の売上高が求められます。
      損益分岐点の売上高=変動費+固定費 ・・・・・A
   変動費は売上高に比例的に増減する費用です。算式で示せば次の通りです。
      変動費÷売上高=変動費率=一定

 Aの式を変形すれば、損益分岐点の売上高=変動費率×損益分岐点の売上高+固定費となります。
 さらにこの式は、損益分岐点の売上高=固定費÷(1−変動費率)となり、固定費の額と変動費率(一定)
 がわかれば自社の損益分岐点の売上高を計算することができます。

 (例題)
  変動費率:0.90 固定費:1,500,000円とすれば、損益分岐点の売上高は次のように計算されます。
       1,500,000÷(1−0.90)=15,000,000円

  次に20,000,000円の売上高の場合、利益は
       20,000,000−20,000,000×0.90−1,500,000=500,000円 になります。

 このように、自社の損益構造を分析することによって,目標売上高を設定したり、目標利益を追求すること
 が出来ます。